◆福島県民の健康指標『悪化』 心疾患・6位、脳血管疾患・7位
(2018年06月02日 福島民友)から抜粋
2017年の本県の死亡率(人口10万人当たりの死亡数)の死因別で、心疾患が全国ワースト6位(前年7位)、脳血管疾患が7位(同8位)で、いずれも前年より悪化した。厚生労働省が1日発表した人口動態統計(概数)で分かった。がんは前年と同じ13位で、県民の健康指標悪化が改めて浮き彫りとなった。
県は「厳しい現状で重く受け止める」(健康増進課)とし、喫煙対策や塩分摂取の抑制などで疾病予防を進めるほか、健民アプリを使った運動推奨にも引き続き取り組む。本年度は福島医大健康増進センターと連携し市町村の健康データ分析も行う予定で、地域の健康課題をあぶり出し、健康長寿県への転換を目指す。
心疾患の死亡率は217.2人、脳血管疾患は128.1人、がんは345.3人。県全体の死亡数は2万4781人で前年より615人増加した。人口1000人当たりの死亡率は前年比0.4ポイント増の13.2人で全国平均の10.8人を上回り、全国順位は前年と同じ悪い方から数えて13番目だった。
死因別の割合はがんが26.1%と最多。心疾患16.4%、脳血管疾患9.7%と続く。本県では1984年以降、がんの死亡数が1位だ。がんの内訳は気管・気管支・肺が19.2%で最多。胃12.8%、結腸9.8%と続く。心疾患で最も多いのは心不全で37%、脳血管疾患の最多は脳梗塞で62.3%を占めた。
◆福島県・女性寿命「86.40歳」 ワースト5位、がん死亡率上昇
(2017年12月14日 福島民友)から抜粋
2015(平成27)年の本県の平均寿命は、男性80・12歳で都道府県でワースト7位(41位)、女性86.40歳でワースト5位(43位)だったことが13日分かった。震災、原発事故前に行った前回(10年)調査と比べ、本県の平均寿命の延びは男性が1.28歳上昇で上から14番目に大きかった一方、女性の延びは0.35歳上昇にとどまり、全国ワースト2位となった。特に女性で全国との差が目立った。
厚生労働省が「2015年都道府県別生命表」を発表した。年齢構成が異なる地域間で比較できるように調整した「年齢調整死亡率」が全国より低い都道府県は平均寿命が高い傾向になる。平均寿命の延びが小さかった本県女性について、厚労省はがんなどの悪性新生物の年齢調整死亡率が上昇したことを指摘している。調査によると、本県女性の悪性新生物の年齢調整死亡率は10年が10万人当たり89.2人に対し15年が89.9人。
年齢調整死亡率で本県の女性のがんの死亡率が5年前の前回調査より悪化したことについては「詳しい分析が必要」としている。
県はがんの早期治療につなげようと、がん検診の受診率向上を目指している。併せて、県民の健康指標の改善に向けた「食・運動・社会参加」を軸に、がんの原因とされる喫煙対策などを進める方針だ。
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