福島県の甲状腺検査 がん・疑い 17人が報告漏れの可能性
2019年7月24日 17時44分 NHK
原発事故のあと、福島県が子どもを対象に行っている甲状腺検査で、がんやその疑いがあるという報告に含まれていない可能性がある患者が、少なくとも17人いることが民間の調査でわかりました。長期にわたって県民の健康状態を把握するとした県の調査の在り方が問われることになりそうです。
福島県は原発事故のあと、被ばくの影響を受けやすいとされる事故当時18歳以下だった子ども、およそ38万人を対象に、甲状腺の検査を行っています。
この検査で甲状腺がんやその疑いと診断された人はことし3月末時点で218人いますが、専門家の委員会では被ばくとの関連は認められていません。
これに対し、甲状腺がんと診断された子どもなどを支援しているNPO「3・11甲状腺がん子ども基金」は24日、記者会見を開き、県の報告に含まれていない可能性がある人が少なくとも17人いることを明らかにしました。
このうち16人は、県外などで自主的に受けた検査でがんやその疑いと診断された人たちで、もう1人は県の検査で経過観察となったあとにがんと診断されたため、県の報告に含まれていないとみられるということです。
報告に含まれていない人たちは、おととしにも12人見つかっており、今回、新たに判明したことで、長期にわたって県民の健康を把握するとした調査の在り方が問われることになりそうです。
NPOの崎山比早子代表理事は「正確な人数を把握しないまま、被ばくの影響について検討しているのは大きな問題だ。県には集計から外れる人をなくし、信頼できる解析を行った結果を報告してもらいたい」と話しています。
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