2014年の再生エネ発電 世界の総発電容量の3割に迫る 日本では、原発を稼働させずに省エネと再生エネで温室ガスを3%削減

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世界の風力発電 設備容量の年次推移

2014年に世界中で導入され た太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電設備容量は過去最高の約1 億3500 万kWとなった。再エネの発電量は世界の総発電容量の27.7%を占めている。2014年度に、世界経済が約3%成長したにもかかわらず、CO2排出量は前年と変わらなかった。

 

日本では、原発が稼働してなかった2014年度に省エネと再生エネルギーの利用が進み、温室ガスを3%削減できたことで、原発に頼らず排出削減できることが浮き彫りになった。インドネシアでは、福島原発事故以降、原発への風当たりが強くなり、激しい反対を受けたことで、計画していた原発の導入を凍結した。今後は再生エネによる発電を拡大し、現在の電源構成では5%の再生エネを20年までに23%に拡大させるとしている。

 

◆原発ゼロ下 温室ガス減 再生エネ普及進む

(2015年11月27日 西日本新聞)から抜粋

政府は26日、2014年度の日本の温室効果ガス排出量(速報値)は13億6500万トンで前年度比3.0%減と発表した。14年度に原発は稼働しておらず、原発に頼らず排出削減できることが浮き彫りになった。温室ガス排出量の減少は東京電力福島第1原発事故後初で、リーマン・ショックで経済活動が落ち込んだ09年度以来5年ぶり。省エネと再生エネルギーの利用が進み、発電からの二酸化炭素排出が減ったのが主な理由としている。

西日本新聞:原発ゼロ下 温室ガス減(2015年11月27日)

 

 

イ ンドネシアは、原子力発電の導入を凍結する方針だ。同国のスディルマン・エネルギー・鉱物資源相が、2050年までは原子力発電所の建設に着手しないと明 言し、今後、太陽エネルギーなど、再生可能エネルギーの開発を重視していく姿勢を示した。現地紙ジャカルタ・ポストなどが報じた。

インドネ シアは電力不足が問題となっており、経済成長の足かせにもなっているとされる。低コストの電源開発として、25年までに総額80億ドル(約 9630億円)で合計発電容量600万キロワットの原発4基を建設する計画もあったが、同相の発言はこの計画を白紙撤回したものと受け止められている。

 

イ ンドネシアは環境悪化への懸念から発電所建設に反対する住民などが多く、とくに日本の福島第1原子力発電所の事故以降、原発への風当たりが強くなってい る。00年代には中央ジャワ州ムリア半島に原発を建設することが提案されたが、激しい反対を受けて計画が中断するなどした。

 

同 国は、原発導入に向けて1950年から小規模の実験を行っており、現在、国内に最大出力3万キロワットの原子炉が3基ある。同相は「電源については他にも 選択肢があり、あえて反対の多い原発を選ぶことはない」と述べたものの、原発を50年以降に電力不足が解消されなかった場合の「最後の手段」と位置付 け、研究は続行するとの姿勢を示した。

 

一方で、ジョコ大統領は国の発電容量を25年までに1億3670万キロワッ ト、50年までに4億3000万キロワットに引き上げるとしており、今後は再生エネによる発電の拡大に注力する方針だ。政府は、太陽エネや風力など、現在 の電源構成では5%にとどまる再生エネを20年までに23%に拡大させるとしている。(シンガポール支局)

 

2014年の再エネ発電 過去最高に。世界の総発電容量の3割に迫る。経済成長とCO2排出量の”デカプリング”も顕著に。国際専門家集団REN21の報告で明らかに(FGW)

2015-06-19 17:24:27

REN21solarキャプチャ

 

エネルギーの専門家らで構成する「21世紀の再生可能エネルギネットワーク」(REN21、本部ドイツ)によると、2014年に世界中で導入され た太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電設備容量は過去最高の約1 億3500 万kWとなった。再エネの発電量は世界の総発電容量の27.7%を占め、推計で世界の電力需要の22.8%を供給する規模に達している。2014年度で顕著だったのは、世界経済が約3%成長したにもかかわらず、CO2排出量は前年と変わらず、経済成長とCO2排出量の”デカプリング”の手応えが顕在化した 点だ。

 

2014年導入の発電設備容量を加え、累積では再エネ発電容量は17億1200万kWと、前年比8.5%増えた。このうち太陽光発電(PV)は、2004年からの10年間で48倍の発電容量となり、風力発電も同じく10年間で8倍近い増加を見せた。

 

経済成長とCO2排出量の「デカプリング」化は、CO2排出量が世界最大の中国で再エネ利用が急拡大していることと、OECD諸国においてもエネルギー効率化と自然エネルギーの利用拡大が同時的に進展していることなどが効果をあげたと、REN21は指摘している。

 

 近年のグローバル経済のGDP(国内総生産)は平均3%の成長で、これに対してエネルギー消費量の世界平均増加率は年率1.5%。一方、2014 年の二酸化炭素(CO2)排出量は2013年の水準から変わらなかった。CO2排出量の増加を伴わずに世界経済が成長したのは、過去40年間で初めてとい う。

REn21windキャプチャ

 

REN21の議長を務めるアルソロス・ゼルボス(Arthouros Zervos)氏は、「自然エネルギーとさらなるエネルギー効率化は、地球温暖化を摂氏2度以内に抑制し、危険な気候変動を避けるための鍵である」と、手応えを強調した。

 

自然エネルギー発電(出力50MW超の大規模水力発電を除く)および燃料分野への世界のお金の流れをみると、新規投資額は2013年から17%増加し、2702億㌦(約32兆円)、大規模水力発電を含めると、世界の新規投資額は少なくとも3010億㌦(約36兆円)に達した。自然エネルギー発電へ の新規投資額は化石燃料の発電設備への投資額の2倍以上あった。自然エネルギーへの投資額が化石燃料発電への投資を上回る傾向は過去5年間続いている。

 

途上国での自然エネルギー投資は前年から36%増加し、1313億㌦(約16兆円)。先進国全体への投資額は2014年に1389億㌦(約17兆 円)で、途上国、先進国の自然エネ投資金額はほぼ同規模となっている。途上国への投資額のうち、中国が過半(63%)を占める。そのほか、チリ、インドネ シア、ケニア、メキシコ、南アフリカ、トルコなどは、いずれも10億㌦以上の資金が自然エネルギー投資に流れている。

 

REN21moneyキャプチャ

 

主要な自然エネルギー投資国は中国がトップで、次いで米国、その次が日本、英国、ドイツの順。GDP当たりの投資額で見ると、ブルンジ、ケニア、ホンジュラス、ヨルダン、ウルグアイの順となる。

 

REN21は、毎年5500億㌦(約66兆円)以上も投じられている化石燃料と原子力への補助金をなくせば、自然エネルギー市場の成長は、もっと 大きくなる可能性がある、と指摘。”ダーティエネルギー”への補助金によって化石燃料や原子力発電のエネルギー価格が人為的に引き下げられる一方で、エネ ルギー廃棄物を増やし、結果的に、地球環境に膨大な負荷をかけている、と批判している。

 

クリスティン・リンREN21事務局長は「公平な競争市場を作ることで、エネルギー効率化と自然エネルギー技術がいっそう発展し利用を促すことが できる。化石燃料と原子力の補助金を世界的に撤廃すれば、自然エネルギーが最も安い選択肢となることは明らかだ」と述べている。

 

自然エネルギー分野の雇用も急速に増えている。2014年には、世界全体で推計770万人が直接または間接に、自然エネルギー分野で働いている。

 

飯田哲也(REN21理事・ISEP所長)は「自然エネルギーは、エネルギー供給はもちろん、経済効果でも気候変動対策でも、切り札となる世界的な潮流がはっきりしてきた。にもかからず、今の日本政府は、自然エネルギーを押しとどめ、福島の教訓にも学ばないまま原発復活を推し進めようとしている。 こうした今の国の政策は、日本の未来を閉ざそうとしている」と述べている。

http://www.ren21.net/wp-content/uploads/2015/06/REN21_press-release-GSR-2015_JAPANESE.pdf

 

全文 http://rief-jp.org/ct10/52643

 

 

デカップリングとは何か?

これまでの社会では、経済成長に比例してエネルギー消費も増えるとされてきました。企業活動が活発になり、生活が豊かで便利になれば、電力やガスをたくさん使うのはもっともなように思われます。

デカップリングとは、これに対して一定の経済成長や便利さを維持しつつも、エネルギー消費を減らしていく、即ち両者を「切り離す」という考え方です。 例えば、資源の再利用・循環利用を行う、エネルギー多消費の産業構造を改める、これまでにない手法で省エネすることにより、デカップリングは可能です。

ドイツでは、過去20年の間、日本以上に高い経済成長を続けつつ、一次エネルギー消費や温室効果ガスを減らしています(下図)。 再生可能エネルギーの導入やコジェネによる地域熱供給体制の構築、住宅の断熱化などにより、関連雇用を大幅に増やしつつ、エネルギー効率を高めてきました。

デカップリングの実現は、社会の仕組みを変え、経済成長のあり方を改めることに繋がり、グリーンエネルギー革命の一断面といえるでしょう。

全文

ドイツ

 

 

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