◆“国民負担”8兆円超を検討 原発の廃炉・賠償で
(2016/09/16 11:45 テレ朝news)
政府は、原発の廃炉費用などのために新たに8兆円余りという莫大(ばくだい)な費用を利用者に負担させる形で調整に入ったことが分かりました。そのうち、福島第一原発の廃炉に4兆円、賠償に3兆円。また、今後、原発の廃炉費用が足りなくなるとして1.3兆円を充てるとしています。
東京電力は、事故を起こした責任から福島第一原発事故の廃炉にリストラなど自力で2兆円を手配してきましたが、費用がかさんで国への救済を求めていました。ANNが入手した内部資料によりますと、新たな国民負担は8.3兆円と計算し、福島第一原発の廃炉や賠償に加えて原発全般の廃炉の費用としています。電線の使用料金に上乗せする形で、すべての利用者から徴収し、標準家庭では毎月60円から180円の値上げが想定されています。さらに、法改正を行うことで、今後、さらに費用が足りなくなれば上乗せができる仕組みにします。政府は、27日にも委員会を立ち上げて数回の議論で年内にも結論を出し、来年度の法改正を目指す考えです。経済産業省内でも国民への付け回し策であり、事実上の東電救済に国民の理解が得られないとの声が上がっています。「原発が安いというのは嘘だった」という批判は避けられそうにありません。
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◆【声明】「原発コスト安」は嘘だった-国民への8.3兆円負担転嫁ではなく政策転換を
2016年9月20日、経済産業省は、「東京電力改革・1F問題委員会(東電委員会)」および「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」を設置することを発表しました。福島第一原発や事故処理にかかる費用のほか、他の大手電力が保有する原発を含む廃炉費用を原則としてすべての電力利用者に負担させる方向で調整するための検討の場です。「全原発の廃炉費用を国民負担」の方向性に対し、パワーシフト・キャンペーンは、本日、下記の声明を発表しました。
・「東京電力改革・1F問題委員会」(「東電問題委員会」)
http://www.meti.go.jp/press/2016/09/20160920007/20160920007.html
・「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」(「貫徹小委員会」)
http://www.meti.go.jp/press/2016/09/20160920006/20160920006.html
声明への賛同募集中!!
・団体賛同 https://goo.gl/forms/cgWgqKCNNnINN2Jo1 (賛同団体は下記)
・個人賛同 https://goo.gl/k7qDl1 (Change.org)
賛同署名用紙ダウンロード ※ぜひ周りの方々にも拡散お願いします!
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声明:「原発コスト安」は嘘だった
-国民への8.3兆円負担転嫁ではなく、原発政策の転換を
>PDF
2016年9月21日
パワーシフト・キャンペーン運営委員会
福島第一原発の廃炉費用などのために新たに8.3兆円を国民に負担させる形で政府が調整に入ったとの報道が、新電力・消費者に衝撃を与えました。9月16日の報道(*1)によれば、内訳は廃炉費用4兆円、賠償費用3兆円、さらに福島第一以外の原発の廃炉費用として1.3兆円というものです。事故の責任があいまいなまま、また原子力政策の見直しを伴わない国民への負担転嫁は、新電力事業者や国民を説得できるものではありません。
福島第一原発事故の賠償・被害最小化を最優先として、東京電力の責任を明らかにし、莫大な費用がかかることが明白となった原子力発電については、これまで利益を得てきた事業者が責任を持って安全な廃炉に向けた対策を取るべきです。経済合理性を欠く原発を、維持を前提として国民負担で支えることは、電力自由化の理念にも反し受け入れられるものではありません。
パワーシフト・キャンペーンは、福島第一原発事故の廃炉・賠償については東京電力の責任で、また今後の廃炉費用をめぐっては、政策転換の議論を行うことを強く要請します。
1.事故の責任があいまいなままに、国民負担は許されない
東京電力福島第一原発事故については、東京電力に一義的な責任があるとされながらも、原子力損害賠償支援機構を通じて他の電力会社と政府が賠償費用を支援しています。東京電力が責任を取っているとは言えない一方で、東京電力の2015年度の営業利益は3400億円を超えています。一民間企業の起こした甚大事故について、企業を事実上「救済」しながら国民負担を求めることについて、倫理的にも経済的にも、理解を得られるものではありません。
2.「原発の事故費用・廃炉費用は莫大」明らかに-政策変更なき国民負担は許されない
2014年の「エネルギー基本計画」をはじめ、各電源のコスト検証において、原子力については、事故処理・賠償費用を勘案してもなお、「コストが低廉な電源」と位置づけられてきました。しかし今回、東京電力福島第一原発事故の廃炉・賠償費用は東京電力だけでは負担できないこと、また他の原発の廃炉費用も、原発を保有する電力会社では支払いきれないことが公にされたと言えます。そうであれば、まずは新規原発の建設可能性について撤回し、また既存の原発の廃炉も早急に検討する方向で、具体的に政策転換を行うべきです。
原発のリスク、費用、事故被害の大きさについての国民的議論なしに、国民負担に転嫁することは、電力自由化の趣旨にも反しています。
原発の費用負担と、原発電気の卸電力市場での取引や「非化石電源」としての扱いなど、市民・消費者に受け入れがたい政策に反対し、9月20日に新たに設置された「東京電力改革・1F問題委員会(東電委員会)」および「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」を注視していきます。
*1:テレビ朝日「原発の廃炉費用 国民負担8兆円超を検討」(2016年9月16日)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000083684.html
賛同団体:(2016年11月21日現在)31団体
市民電力連絡会/現代を問う会/被ばく医療を考える会かごしま/ベクレルフリー北海道/ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン/足元から地球温暖化を考える市民ネットたてばやし/原発メーカー訴訟原告団/緑のハーモニー調布/脱原発の日実行委員会/特定非営利活動法人足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ/虹とみどりの会/緑ふくしま/(株)森と暮らすどんぐり倶楽部/10万年生きる愉快な仲間(さる)たち/市民エネルギーとっとり/一般社団法人大磯エネシフト/えねみら・とっとり(エネルギーの未来を考える会)/緑の党グリーンズジャパン/平和・人権・環境を守る岐阜県市民の声/経産省前テントひろば/さよなら原発・ぎふ/NPOこだいらソーラー/浜岡原発を考える牧之原市民の会/府中・生活者ネットワーク/有限会社 栄鉄工所/一般社団法人GQパワー/環境まちづくりNPO元気力発電所/まちだ自然エネルギー協議会/NPO法人新エネルギーをすすめる宝塚の会/No Nukes! 野にゆく会/生命(いのち)を考える福島と鹿児島の会
パワーシフト・キャンペーン運営委員会(〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9 FoE Japan内)
03 -6909-5983 info@power-shift.org http://power-shift.org/
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